福岡市原子力災害避難計画を質す
福岡市議会9月定例会は13日に開会しました。
私は、18日、
「原発事故を想定した福岡市原子力災害避難計画について」
「仕事を体験して学ぶ、キャリア教育の推進について」
の二点について質問に立ちました。
玄海原子力発電所には、稼働の有無に係らず大量の核燃料と使用済み放射性物質が保管されています。
また、第1号機は建設されて37年が経過しています。
これらが、地震や津波、あるいは操作ミス等により、原子力発電所の外に放出される事態に至る万が一の緊急事態を想定し、東京電力福島第一原発事故と事故発生時の避難誘導体制の不備を総括した防災体制の確立が急がれます。
昨年9月、国は、原発から半径30㎞圏の自治体に原子力災害避難計画策定を義務づけました。
福岡市は原発から30㎞圏外ですが、事故が発生した場合、気象状況によっては放射性物質が飛来することも考えられるとして、「福岡市地域防災計画」の「原子力災害対策編・避難計画」を本年度中に策定するとしています。
そこで、昨年2月の福島県での原子力災害の視察をもとに「事故の連絡の経路」「市民への広報」また「避難の方法と避難所の設置」「災害時要援護者の避難等」について、どのような対策が検討されているのか、関係当局の対応を質しました。
市民局長からは
○原子力災害対策措置法第10条及び第15条に該当する事象の発生時には、「原子力 防災に係る福岡県民の安全確保に関する協定書に基づき、九州電力から福岡市に直接連絡が入る。
○屋内退避を含む避難が必要になった場合は、国が福岡市に直接指示を行う。
○福岡市に影響を及ぼす事態の発生時には、報道機関に広報の要請を行うとともに、広報車等による巡回広報や災害広報紙等の発行、防災メール・緊急速報メール・ツイッター・街頭ビジョンなど、あらゆる媒体を利用して広報を行う。
○避難は、原則として自家用車の乗り合わせによる避難とし、自家用車による避難が出来ない市民は、市や県が準備するバス等を利用。
○避難先は50㎞圏外でかつ「放射性物質を含んだ空気の一団」(プルーム)の進行方向に当たらない市立の小中学校を避難所として開設。
○災害時要援護者については、自ら避難がおこなえない方は、地域住民の協力のもと避難。それによりがたい方は、防災機関等の支援を得て避難。
また、内部被曝による甲状腺がんの発症リスクを低減させる効果がる安定ヨウ素剤の配布についての配布については
○これまで避難計画の素案に盛り込んでいたが、先般7月に国が服用の対象年齢や配布方法等について新たな指針を示したので、再度検討を行っていく
等の答弁がありました。
さらに市長からは
○国は、原発事故の発生に備える住民の避難計画づくりを支援する組織を設置し、30㎞圏内の広域避難計画の作成支援をするとしており、また、30㎞圏外の対策についても、今後、国が検討する予定であるので、国・県と連携を行い実効性のある計画づくりを進めていく
との答弁がありました。
福岡市は、来月24日(木)、西区6校区の住民約100名の参加のもと、初の原子力災害避難訓練を実施します。
私は、万全な避難計画が構築できなければ、原発再稼働は認められないとの認識のもと、しっかり検証して、地域状況に応じた実効ある避難計画を立てなければならいと考えます。
昨年2月、福島県南相馬市を視察。
桜井市長より、被害状況や事故発生時の避難状況の説明を受ける。