児童養護施設「和白青松園」竣工式に参加して
近所にある児童養護施設「和白青松園」の竣工式に参加させていただきました。
竣工式で社会福祉法人福岡県社会事業団の小川理事長さんが「貧困や虐待により、子どもの温かく家庭で育てられる権利が奪われている。家庭のように生活形態を小さくしつつ専門的な養育を行っていきたい」と温かい眼差しで挨拶されていました。
私は、多くの来賓の話を聞きながら、和白小・中学校の同級生で、この園で生活していた本松君や荒谷君、そして欽也君のことを思い出していました。
「高校へは行きたいけど、公立高校の入試は難しいけんねぇ」そんな話をしていたことも思い出します。
中学校卒業以来、音信が途絶えていますが、元気にしているだろうか。
いつか会えるのを楽しみにしています。
この「青松園」は、終戦直後に戦災孤児を養育するする施設として開園しました。
老朽化が進み、福岡西方沖地震の影響もあり、建替え改修が急がれていました。
今回の改修工事により、子ども達の居住棟はこれまでの数十人が共同生活を営む形式から、10人前後が1組で生活する「ユニット制」に移行されました。
施設の中を見学させていただきましたが、木のぬくもりが感じられるそれぞれのユニットに台所や風呂、そして個室が設置してあり、より家庭に近い雰囲気で生活できるようになっています。
同園では、現在では経済的理由や虐待等の理由で、3歳から19歳までの約90人の子ども達が生活しています。家庭的な環境の中で、子ども達が健やかに成長していくことを期待するものです。
従来わが国では施設養護が中心となっていましたが、社会的養護を必要とする子どもが激増する中において、昨年、国は、社会的養護の質・量の拡大、職員配置基準の拡充や家庭的養護のほか、自立支援の推進などをあげています。
特に、里親・ファミリーホームなどの家庭的養護への委託を社会的養護の3割以上にするとし、今後は里親やファミリーホームといった家庭的養護を優先していくという原則も示されています。
本市では、2005年度からNPOと共働で里親制度の普及啓発と支援事業を行い、里親委託率が飛躍的に伸びています。
しかし、里親だけで子育ての悩みを抱え込んでしまうという話も度々聞きます。
里親同士の情報交換の場としての里親サロンや研修会の開催、ケースワーカーの増員等、里親・里子を支援する体制の整備・拡充が重要です。
帰り道、「さやかちゃんのおじちゃんやろ~。さやか、元気?。私、おじちゃんの娘のさやかと中学校の時の同級生で、ここ青松園の卒園生です。」と、みどりさんが車の中から声をかけてくれました。
自宅で、娘と竣工記念誌「松ぼっくり」を読みながら、改めてこの園が彼ら彼女らにとって、心の支え、居場所になっていることを感じた次第です。
藤田園長先生と
木のぬくもりのある「家」