9月議会登壇 ~コロナ禍での雇用維持&ひとり親家庭の就労支援~
9月4日に開会された9月議会は台風10号の影響により、7日(月)休会となり、私の一般質問登壇予定は9日から10日に順延されました。台風等で議会が休会となるのは稀で、福岡市議会では初めてのことです。
新型コロナウイルス感染拡大は雇用に大きな影響をもたらしています。福岡県下でも、わずか3か月余りで、雇用調整の可能性がある事業所数が2.4倍、解雇や雇止めに追い込まそうな労働者数が、3倍に達しています。これ以上の解雇や雇止めに歯止めをかけ、早急な方策が必要です。また、パート等の非正規で働いているひとり親家庭の子どもたちの暮らしに影響を及ぼしています。今議会では、会派を代表して、「コロナ禍での雇用維持と就職・再就職支援について」「子どもの貧困解消に向けてのひとり親家庭への就労支援について」の2点について質問しました。
【コロナ禍での雇用維持と就職・再就職支援について】
●事業主に対し、働く者が不利益を被らないよう雇用調整助成金申請等、雇用を維持 するための対応をしっかり行うよう強く働きかけること。
●新たに始まった「休業支援金・給付金」は、雇用保険未加入のパートやアルバイトも対象となっていることから周知が重要であり、市広報誌やHPに支 援を求める人たちに伝わる表示の工夫をすべき。
●大学生等の就職活動が長期化し、採用人数を減らしている企業もあり、来年春まで に就職未決定の大学生も出るのではないかと懸念されており、8月から始まった「オンライン合同会社説明会」は、解雇や雇止めを含め仕事を探している人も対象としていることから、次回の開催に向け、学生や既卒者への周知をしっかり行うこと。
●さらに、再就職支援について、本市には、身近な区役所で、求職者に寄り添いながらの就労支援を行う「就労相談窓口」が毎週開設されており、市広報誌に就職した人たちの声を掲載する等活用を促す工夫をすべき。
【子どもの貧困解消に向けてのひとり親家庭への就労支援について】
中間的な所得の半分にも満たない家庭で暮らす18歳未満の子どもの貧困率は13.5%
うちひとり親世帯の子どもの貧困率は48.1%にのぼり、福岡市が2016年に実施した「ひとり親家庭実態調査」では、シングルマザーの約87%が就業しているものの非正規雇用が多く、1ヶ月あたりの平均収入は約15万7千円 にすぎません。新型コロナウイルス感染拡大の長期化が懸念されている中、更なる支援策の拡充が必要です。
2019年6月「子どもの貧困対策に関する法律」が改正され、職業と家庭が安心して両立できる働き方の実現として保護者の就労支援を含めた貧困対策を各自治体に求めています。
●ひとり親家庭の母親や父親が安定した仕事と収入を得られる資格を取得することを後押しする「ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金事業」の対象資格を福祉・医療関係以外、特に女性の進出が目覚ましい運輸業や建築業等にも広げること。
●修業期間中の経済的な支援について、現在、市民税非課税世帯では月10万円、修業最終年は月14万の支給、修了後5万円の給付金が支給され、家計の心配をすることなく資格取得ができるよう修業期間中の経済的な支援が実施されています。しかし、授業料や施設設備費等の校納金を考慮すれば養成機関に入学するのを躊躇してしまうという声もあることから、就業者増に効果を上げている北九州市を倣い市独自加算を行うこと
●コロナ感染拡大は、特に、非正規雇用で働くひとり親家庭への影響が大であることから、今後の福祉施策の充実を図るための基礎資料を得るとし て5年毎に実施している「ひとり親家庭実態調査」を 次回2021年を前倒し今年度中に実施し、施策に反映すべき。
市当局から前向きな答弁もありましたが、「努める」「研究する」等、依然として消極的な答弁もあり、今後も所管の経済振興委員会や少子・高齢化対策特別委員会等で暮らしの実態や他都市の先見的な事例を例示しながら、要望・提言を行っていきます。