子どもの貧困解消に向け、ひとり親家庭の就労支援を強化すべき!
「公立夜間中学の設置」に引き続き、「子どもの貧困解消に向けて、ひとり親家庭の就労支援を強化すべき」と行政当局に支援策の強化を求めました。厚生労働省が本年6月に公表した「2016年の国民生活基礎調査」によると、子どもの貧困率は13.9%。前回調査の16.3%に比べ低くなっていますが、未だ7人に一人が貧困状態です。特に、ひとり親世帯は50.8%と依然として厳しい状況が続いています。
本市のひとり親家庭実態調査(2016年度 こども未来局調査)によれば、母子・父子家庭の毎月の手取り収入は、それぞれ母子家庭が15.7万円、父子家庭が27.2万円で2011年度の調査に比べ増えています。しかし、その背景は景気が良くなったからというより、生活費や子どもの教育費のためダブルワーク、トリプルワークで長時間働かざるを得なくなった実態もあります。母子家庭では、年収200万円に届かず、「養育費を受けたことがない」という家庭も6割近くあり、働いても貧困の状態から脱け出せない状況が続いており、児童扶養手当や児童手当が家計を支えているのが実態です。
子どもの貧困解消に向け、生活・教育の支援や家庭への経済的支援とともに、親が、安定した仕事に就ける支援策の強化が必要です。国は、ひとり親家庭の母親や父親が、就職に結びつきやすい資格を取得するために、看護師等の養成機関で修業している場合にその期間中の経済的な支援を行う「高等職業訓練促進給付金事業」を進めています。本市では、過去3年間、220人がこの事業を活用し、75人の常勤雇用につながっていますが、修業期間中の生活保障としての月額10万円では、専門学校等の授業料・校納金を考慮すれば躊躇してしまうとの声が聞かれます。北九州市は、修業期間中の生活保障として、扶養児童数が2人目までは一律月額2万円を加算するという市独自の「ひとり親家庭の自立応援事業」を2015年度より始めています。そこで、本市でも、「高等職業訓練促進給付金事業」への誘導を更に図るため、市独自の給付金の支給を図るべきと要望しました。