天災は忘れなくてもやってくる!

 福岡市市民総合防災訓練(東区会場:多々良小学校)に参加しました。
 市では、災害発生時の地域防災力の向上を図るため、各区の実情に応じた訓練を実施することとしています。
 会場となった多々良校区は過去度々水害(多々良川や須恵川の氾濫)が発生したこともあり、水害と地震を想定した訓練となりました。
 この日は、地域住民や小学校児童の避難訓練、緊急地震速報のアラーム音と地震想定の効果音の確認の後、倒壊した建物からの救助訓練や消火器による消火訓練ならびに土のう積みの指導等が行われました。
20120523blog1.jpg 倒壊した建物からの救出訓練
20120523blog2.jpg 住民の皆さんや児童による消火訓練
 「3・11 東日本大震災・原発事故」の記憶も新しいことと、会場となった多々良校区は過去度々水害(多々良川や須恵川の氾濫)が発生したこともあり、多くの住民のみなさんが参加され、水害当日のことを語りながら話を聞かれていました。
20120523blog3.jpg 2年前の大雨の様子(須恵川)
 市では、今回の訓練に先立ち、4月27日(金)福岡市防災会議(会長:高島市長)で、「2012年度 福岡市地域防災計画」を決定されています。
 その内容は、従来の防災計画に加え、未曾有の大災害となった東日本大震災と東電福島第一原発事故を受け、津波や液状化対策ならびに原発災害対策を盛り込んだものになっています。
昨年6月に学識経験者や気象台地震情報官、自治協代表からなる10名の委員で「福岡市地域防災計画見直し検討委員会」が設置され、これまで4回の協議が行われてきました。
私も時間の許す限り、検討委員会の協議を傍聴してきました。
 私が所属する社民・市政クラブは、これまで市当局に「九電との原子力安全協定の締結」とともに「福岡市地域防災計画」の見直しに際し、災害時要援護者への支援体制の整備や安定ヨウ素剤の備蓄等をはじめとした避難支援対策の充実・強化を要望してきました。
【主な見直し項目】
 〈津波災害予防 *新設〉
  ・津波避難ビルの確保や標高標識の設置、津波ハザードマップ等についての検討。
 〈液状化対策  *新設〉
  ・液状化対策の普及・啓発を図るとともに、建築物等について必要な防止対策。
 〈原子力災害対策  *新設〉
  ・国の防災指針や福岡県地域防災計画等との整合性を図りながら、原子力災害対策を充実させていく。
 ○自力避難が困難な要援護者をリストアプした「災害時要援護者台帳」の整備  
 ○福祉避難所の指定
 ○甲状腺がんを防ぐための安定ヨウ素剤の備蓄(玄海原発50㎞圏内、40歳未満22万人分)
 ○公民館への簡易トイレの備蓄や非常食・水の小・中学校への配備拡充の検討
 ○女性・乳幼児専用スペースの確保など避難者に配慮した避難所運営
 など
 今回の「福岡市地域防災計画」は、自助・共助の促進や防災意識の向上を図るとともに、被害の軽減する「減災」を主眼とした内容となっていますが、まずは、「天災は忘れなくてもやってくる」 このことをあらためて認識し、対応への準備を整えておく必要があります。