アベノミクスで労働者は救われるのか??

勝山吉章教授(福岡大学)等とともに共同代表を務める
「非正規雇用フォーラム・福岡」
は福島瑞穂参議院議員(社民党前党首)を招き、
「今日の労働法制改悪の動き~規制緩和策~」
について学習会を開催しました。
福島参議は、まず、現在の社会状況について、
「正社員は長時間労働、また、非正規雇用労働者は劣悪な条件の下で働いている。
労働者全体の35%が非正規雇用、その54%は女性である。
そして、初就職の4割が非正規雇用で就職する状況にまでなり、正社員が当たり前の時代から非正規雇用が当たり前の時代に変わった。
その中でもとりわけ女性労働者の占める割合は70%近く、約40%が非正規雇用で初就職している。
一方、正規労働者においても、賃金が低下し長時間労働が拡大し、安易な配転や解雇、嫌がらせ、不払い残業などが横行し、多くの人々が過度のストレス、うつ病、過労死、過労自殺などに追い込まれている」
と若者や女性を中心に厳しい労働状態が顕著になっていることを各データを基に指摘。
続いて、安倍政権による労働法制の規制緩和に向けた動きについて、
「政府が設置した産業競争力会議と規制改革会議では、経済成長のための『労働市場の流動化』が大きなテーマになり、衰退産業から経済産業へのスムーズな移動を促すとして、『雇用を守るルールを 人材を移動させやすくするルールに』と解雇規制の考え方を転換しようとする議論が続いている。
しかも、新たに大量の若者を採用し長時間労働を強い、退職に追い込む「ブラック企業」の問題もあるなかで、解雇規制の在り方が労働組合側の委員を入れず企業側の論理だけで進められているのは非常に問題である」
と批判。
これらの労働法制の規制緩和に向けた動きに対して、非正規労働者を保護し支援する施策や若者を使い捨てにするブラック企業のチェック体制の強化を求める運動をつくっていく必要があると強調されました。
さらに、福島参議は、今年6月120人の超党派の議員連盟による「過労死等防止基本法」の制定の動きが始まっていることを紹介し、この動きを強めていくことも語られました。
過労死については、月80時間の残業が過労死の危険ラインとされ、精神的・肉体的負担で、脳や心臓の病気で亡くなったり、うつ病等の精神疾患で自死にいたった事例が度々報道されています。
「KAROSHI」はオックスフォード英語辞典にも取り上げられる等、日本の労働環境を表す言葉となっています。
「雇用の劣化」を防ぐためにも長時間労働にストップをかける基本法制定の運動も強化していかなければなりません。
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