すべての子どもたちに学ぶ権利があります!
九州朝鮮中高級学校の卒業生68名が「高校授業料適用除外としたのは違法」と国に損害賠償を求めていた控訴審判決は、彼ら彼女らの請求を退けました。
2010年4月に始まった高校授業料無償化は、教育の機会均等を目的に、日本に学ぶすべての子どもたちを対象に創設されたもので、朝鮮学校の子どもたちには日本で民族教育を受ける権利が保障されなければならず、政治的理由で子どもたちを差別・分断することは、決して許されるものではありません。
福岡高裁の裁判長は、昨年3月の小倉支部判決と同様に「朝鮮高校の教育内容は朝鮮総連からの『不当な支配』を受けている合理的疑念がある」としていますが、「支援金が適正に管理されない可能性がある」とした国の主張はそれ自体が偏見と差別によるものです。
今、朝鮮学校で学ぶ生徒たちは、在日4世・5世の世代で、日本で生まれ、日本社会で暮らし、親世代をはじめ税負担等、同様の義務を果たしています。何より、私たち日本人が言葉や文化、歴史を学ぶのと同じように生徒たちにも祖国の歴史や文化、言葉を学ぶ機会が尊重されなくてはなりません。
こ れまで、国連人権委員会等は日本政府に対し幾度も「高校無償化制度から朝鮮学校も荷を除外していることは差別であり、制度を朝鮮学校にも適用すべき」と勧告しています。今度の「高校授業料適用除外を適法」とする判決は、国際的見解を踏まえた判断とは言えず、許されるものではありません。