「夏休みの見直し」拙速な導入は避けるべき
9月定例議会では、「教職員の多忙化解消と子どもたちの学びを保障するとりくみ」について質問に立ちました。
昨年6月、経済協力開発機構(OECD)は世界34カ国・地域の中学校の勤務環境や指導状況を調査した国際教員指導環境調査を公表しました。そして、各マスコミは「日本の中学校教員 労働時間世界一 ~部活動、事務作業が負担」、「日本の中学教員 勤務最長 部活、事務に多忙」等と報じました。
今、学校を取り巻く環境は、時代や社会の状況を反映し大きく変わってきています。授業時数や事務量の増加やいじめや不登校等、子どもたちが抱える問題をはじめ、突発的に起こる問題行動への対応など職務は増すばかりです。教職員の多忙化は、病気休職者を増やし、教職員の子どもと向き合う時間を奪っています。
昨年10月に実施された勤務実態調査と10年前の調査を比べると、在校時間が小学校で約60分、中学校で約40分、特別支援学校では30分と、超過勤務が増加しています。
しかし、教育委員会は6月議会第2委員会で教職員の超過勤務の解消を放置したまま、夏休み等の期間の見直しと土曜授業の実施により全国トップレベルの学力をめざすとして「学力向上のための教育課程の見直し」を示しました。
授業時数を増やせば学力が向上するというのは短絡的な考えであり、文科省の中央教育審議会も「授業時数と学力の相関は認められない」と答申しています。市費加配教員も増員せず、現行の教職員だけで対応するには限界があると指摘し、拙速な導入は避け、より十分な検討をすべきと要望しました。